キャリアアップのための給付金(教育訓練給付金)

雇用保険

雇用保険といえば、失業時の基本手当(いわゆる失業保険)をイメージされる方も多いと思いますが、実は働く人のキャリアアップを応援するための制度でもあります。それが雇用保険から支給される『教育訓練給付金』です。働きながらでも、将来のために勉強をすると給付金が受取れます。また一定の要件を満たせば、離職中でも給付金を受けることも可能です。

雇用保険制度を有効に使い、キャリアアップを図る

教育訓練給付金制度とは

働く方の能力開発又は中長期的なキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とし、教育訓練受講に支払った費用の一部が支給される制度です。「一般教育訓練給付金」と「専門実践教育訓練」の二種類があり、それまでの雇用期間や目的により活用が可能です。

社会人1年目以上の人を対象とした「一般教育訓練給付金」

受講資格者

初めての受講者は雇用保険の被保険者であった期間が通算1年以上の方(2回目以降は通算3年以上)に給付されます。仕事を辞めてしまっても1年以内の方なら対象です。また、会社を辞めてから1年以内に妊娠、出産、育児、疾病、負傷等の理由で受講できなかった場合、その旨を公共職業安定所(ハローワーク)所長へ申し出、認められれば20年以内の延長も可能です。

対象となる講座内容

受講項目は非常に多くの講座があり、WEB検索で『教育訓練給付金制度 講座』と検索してみて下さい。各専門学校が厚生労働大臣の指定する講座を掲載しています。内容は各専門学校によって違いますから、比較検討することをオススメします。この講座には「通信講座」もありますので、働きながらの受講が可能です。また、会社帰りの夜間に通う方法もあります。現職のキャリアアップ、また新しい可能性を見つける為に、気になる講座を選択しても良いでしょう。

給付金額

修了時点までに支払った学費の20%(上限10万円)が支給されます。

より専門的なキャリア育成を目指した「専門実践教育訓練給付金」

受講資格者

初めての受講者は、雇用保険の被保険者であった期間が通算2年以上(2回目以降は通算3年以上)ある場合に給付されます。仕事を辞めた方、出産・育児等の方の条件は前日と同じです。

対象となる講座内容

「業務独占資格」(資格を持たずに業務を行うことが法令で禁止されている資格)と「名称独占資格」(資格がなくても業務を行う事はできるが名称使用は法令で禁止されている資格)の取得を訓練目的にしています。その為、比較的長い期間(1年~3年)/長い時間(30~120時間以上)のカリキュラムが組まれた講座となります。場合によっては、仕事との両立が厳しい場合もあります。しっかり「手に職」をつけたい人におススメの制度です。

給付金額

専門実践教育訓練を受給している間と、修了した場合に下記支給。

受講中

支払った学費等 × 50%

1年間で40万円が限度です。訓練期間は最大3年間なので、120万円が上限となります。ただし、4千円を超えない場合は支給されません。

修了後

支払った学費等 × 70%

訓練期間1年につき56万円が限度です。2年の場合112万円、3年の場合168万円が上限となり、すでに受講中支給を受けた場合は差額が追加支給されます。ただし、4千円を超えない場合は支給されません。

教育訓練“支援”給付金(2022年3月31日までに受講を開始した場合)

「専門実践教育訓練給付金」の受給資格者のうち条件を満たした方が失業状態にある場合に訓練受講をさらに支援するため、「教育訓練給付金」が支給されます。ただし、支給条件として、講座開始時に45歳未満、受講する講座が「通信制」「夜間制」ではないこと等があります。

1日当たりの支給額

原則、離職される直前6ケ月間に支払われた賃金額から算出された基本手当の日額の80%。

給付金を受給できる期間

受講期間が修了するまでの間で「失業の状態」にある期間。ただし「基本手当」と重複はできません。「基本手当」の支給が終了した後は給付を受けことができます。

公的保険アドバイザーからワンポイントアドバイス

雇用保険は失業手当だけ、と誤解されている方もいますが、それはとても勿体無いことです。賢くこの制度を利用して、就業中にキャリアアップを考えてみて下さい。勿論、大きなキャリアアップの為に離職して勉強する方もいらっしゃるでしょう。しかし、そこは賢く計画的にしましょう。人生100年時代「ダブルキャリア・セカンドキャリア」を目指し、働き方改革の準備をしましょう。

この記事を書いたアドバイザー

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寺門 美和子 (てらかど みわこ)