20歳前障害の国民年金保険料の納付と年金給付

公的年金

日本に住むすべての20歳以上60歳未満の人は、国民年金に加入する義務があります。
したがって、20歳になると国民年金の加入手続きが必要になります(既に厚生年金や共済に加入済みの場合や、その配偶者である場合は除きます)。
保険料を納めないと年金は受け取ることが出来ませんが、先天性の病気などにより加入年齢の20歳になる前に障害を負っているため、働くことすら難しく、とても年金保険料を納めることが出来ない場合、保険料免除と同時に給付も受けられます。

障害基礎年金1級2級に該当すれば、国民年金に加入と同時に障害基礎年金を受給出来ます。

20歳前に障害を負っている場合、20歳の時点で障害等級1級あるいは2級に該当すれば、国民年金に加入でき、該当する障害基礎年金を受給する事が出来ます。障害基礎年金を受け取れる場合は法定免除とされるため、保険料を払う必要はありません(20歳前に厚生年金加入の場合は、障害基礎年金に加えて障害厚生年金も受け取れますが、国民年金のように保険料免除にはなりません)。

障害年金の対象となる病気やケガは、手足などの外部障害だけでなく、精神障害やがん、糖尿病などの内部障害も対象になります。どの病気は何級と病気で決めるのではなく、状態によって該当する障害の等級が違います。

障害基礎年金が受給出来る状態は、以下が目安となりますが、医師の診断書と本人の申立書を基に、日本年金機構が審査し決定します。

1級の障害 介助が無ければほとんど日常生活を送ることが出来ない状態
2級の障害 自力で何とか出来るが日常生活を送るのが困難で、労働することが出来ない

ただし、一度等級が決定したらそれが一生続くのではありません。障害状態に該当しなくなれば、障害年金はストップします。

障害年金受給者には誕生月に診断書のついた現況届が送られてきますので、そこで障害の状態を再確認されます。ただし、状態が悪化・軽減されたときなどの変化があった時は、定時の現況届を待たなくても障害給付額改定請求書で給付額の変更を申請できます。

障害者手帳を持っていなくても、障害年金の受給要件に該当すれば年金が受給可能

障害者手帳=障害年金、ではありません。障害者手帳と障害年金は異なるものなので、それぞれで申込の手続きをする必要があります。障害者手帳を持っていても、障害年金を受け取るための手続きをしないと障害年金は受給できませんが、障害者手帳を持っていなくても、障害年金の受給要件に該当すれば年金受給が可能です。

また、それぞれの等級の認定基準も異なります。例えば、人工透析を受けている場合、身体障害者手帳は1級と認定されることが多いのですが、障害年金は原則2級に認定されます。

20歳前障害と20歳過ぎてから障害を負ったときの違い

障害を負っていても、障害年金を受給しつつ就職する事は出来ます。就職すれば社会保険に加入します。障害年金受給中は国民年金保険料は法定免除ですが、厚生年金・健康保険は免除になりません。しかし、免除の期間は将来受け取る老齢基礎年金(国民年金)が半分になってしまいますが、厚生年金加入の保険料は将来の老齢厚生年金に上乗せできます。

20歳を過ぎてからの障害の場合は、所得金額により年金が削られることはありませんが、20歳前障害の場合は、本人が保険料を納付してないことから所得制限があります。
例えば、1人世帯(扶養親族なし)の場合は、所得額が360万4千円を超える場合は2分の1が支給停止となり、462万1千円を超える場合に全額停止となります。

一人世帯の場合

年金額

障害年金は、障害を負った原因の初診日に、どの年金制度に加入していたかによって、障害基礎年金になるか、障害厚生年金も受け取れるかが変わります。
20歳前の障害でも、20歳前に就職し厚生年金に加入中に初診日がある場合、障害基礎年金に加え障害厚生年金も受け取れます。そして、この場合は、所得によって受け取る年金が停止されることはありません。

公的保険アドバイザーからワンポイントアドバイス

お子さんが20歳になりましたら、障害者手帳をお持ちでもそうでなくても、お近くの年金事務所か市役所の国保・年金課へご相談ください。国民年金の手続きは必ずしておきましょう。
また、障害者手帳・自立支援医療の手続きも忘れずにしましょう。様々な優遇が受けられます。お近くの市役所でご相談ください。身体障害・知的障害は障害福祉課、精神障害は地域保健課又は保健センターが窓口になっています。
障害のために出来ないところは福祉のお世話になりますが、自分で出来る範囲で社会に参加出来ると良いですね。
ハローワークでは、障害の状態に合わせて就職の指導や仕事の紹介が受けられます。障害者手帳を持っていなくても相談することが出来ます。社会参加に一歩踏み出せるきっかけになります。

この記事を書いたアドバイザー

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林 智慮 (はやし ちりよ)