ねんきん定期便が送られてくる3つの理由
毎年受け取るねんきん定期便ですが、「よく分からないから……」「まだ働き盛りで関係ないし……」とほったらかしにしていませんか? 実はねんきん定期便は、自分の老後を知るためにとても大切なツールです。その3つの理由を紹介します。
将来年金を受け取るには、そもそも年金制度に一定の期間加入していることが要件となっています。ねんきん定期便では、これまでに自分がどれくらい保険料を払って、どれくらい加入期間(受給資格期間)があったかが記載されています。
つまり、将来年金を受け取ることができるかどうか、誰でも確実かつ手軽に確認できる大切なお知らせといえます。
ねんきん定期便が送られてくるのは……
ねんきん定期便が送られてくるのは「国民年金」および「厚生年金保険」の加入者(被保険者)。年1回、誕生月に送られてきます。会社員や公務員の方は国民年金と厚生年金、それ以外の自営業やフリーランスの方、会社員や公務員の配偶者で扶養の方は国民年金のみに加入しています。
とても大事な年金の加入期間がすぐわかる
年金は年を取ってから受け取る老齢年金の他にも様々な給付があり、それぞれに受給するために必要な年金加入期間があります。
このように年金の種類によって、加入期間の要件は大きく異なります。その意味でもねんきん定期便で加入期間を確認することはとても重要です。
人生100年時代といわれる近年は、老後の資金について不安を覚える方も増えています。きちんと年金の受給見込み額を知ることは、安心して老後を迎えるための第一歩となります。
多くの人にとって、年金は老後の家計における収入のベース。「現在の生活費が続くとして毎月どれくらい不足するのか」「不足を補うためにいくら貯蓄があれば安心か」など、老後に向けて資金計画を立てるうえでも年金受給額の情報は必要不可欠といえます。
年金は「将来65歳になったときにもらえるもの」というイメージを持っている方も多いでしょう。しかし、年金を受け取るのは、老後だけではありません。
病気やケガで障害状態になったときは障害年金、死亡したときは遺族年金が支給されます。いずれも本人やその遺族を支える年金の一種であり、セーフティネットとして重要な役割を担っています。
老齢年金は65歳から受け取る年金を指します。国民年金加入者は「老齢基礎年金」、厚生年金加入者は「老齢厚生年金」と「老齢基礎年金」の2階建てで年金を受け取ります。
障害年金は病気やケガで障害状態になったときに支給されます。国民年金加入者は「障害基礎年金」、厚生年金加入者は「障害厚生年金」と「障害基礎年金」の2階建てとなります。
遺族年金は万が一のときに支給される年金です。国民年金加入者の場合は「遺族基礎年金」、厚生年金加入者の場合は「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」が支給されます。ただし遺族基礎年金の支給は、18歳までの子供または20歳未満で1級・2級の障害状態にある子供がいる場合に限られます。一方で遺族厚生年金は対象が幅広く、子供の有無にかかわらず配偶者や子供、あるいは父母などが受け取ることができます。
以上が、ねんきん定期便が送られてくる3つの大きな理由ですが、いかがでしょうか。将来の自分自身や遺族を助けるためにも、ざっくりとはいえねんきん定期便が非常に重要なツールであることは理解いただけたのではないでしょうか。
それでは、さっそくねんきん定期便の見方について、具体的に内容を解説していきたいと思います。