2024年度施行:公的保険の改正・改定まとめ

2024年度(令和6年度) に施行される公的保険や関連制度の改正・改定の要点をまとめました。とくに注目されるのは、フリーランスやギグワーカー、プラットフォームワーカーといった多様な働き方をする人々に対する、労災保険の特別加入対象の拡大です。また、パート・アルバイトへの社会保険の適用拡大など、雇用形態にかかわらず公的保障を広げる動きも進んでいます。
2024年10月施行
年金
社会保険の適用拡大
社会保険に加入する対象者の範囲が拡大されます。従業員数51人以上の企業に勤務し、週20時間以上働くパート・アルバイトの方も社会保険への加入が義務化されます(従来は101人以上の企業が対象)。
雇用保険
教育訓練給付制度の充実
1. 専門実践教育訓練給付金
教育訓練の受講後に賃金が上昇した場合、さらに受講費用の10%(最大年間8万円)が追加で支給されるようになります。これにより、支給率は最大80%(年間上限64万円)になります。
2. 特定一般教育訓練給付金
資格取得後に就職等をした場合、受講費用の10%(最大年間5万円)が追加支給されます。これにより、支給率は最大50%(年間上限25万円)になります。
2024年11月施行
労災保険
フリーランスが特別加入の対象に
2024年11月からは、企業などから業務委託を受けて働くフリーランス全般が、業種や職種を問わず、任意で労災保険に加入できるようになります。
労災保険に加入することで、業務中の事故や病気に対し、療養・休業・障害・遺族などの補償を受けることが可能になります。フリーランスやギグワーカーといった多様な働き方が広がる中で、これまで制度の谷間にあった人たちへの保障が強化されます。
出典
著作者情報
公的保険アドバイザー
前田菜緒