コロナ禍における健康保険の対応

健康保険 2020/10/01

みなさんは、新型コロナウィルス感染は落ち着いてきたとお感じでしょうか、それともまだまだ警戒が必要だと思われるでしょうか。イベントなどの人数制限が緩和される中、私見としては心なしか気も緩んでしまわないか危惧しているところでもあります。これからの秋口はイベントも多くなりますが、今一度自己防御について考えながら生活していきたいものですね。
そんな中、まだ不安を抱える方から仕事を休まなければならなくなったときの対応について、ご相談が続いていますので、今回は健康保険の給付を交えて考えてまいります。

労災に罹患した場合については、本年5月号でお伝えしておりますが、仕事をしている方でも労災には該当しないケースはもちろんあります。しかし、発熱の症状がある、風邪のような症状がある場合などは労働基準法での休業補償の対象にはなりませんので、年次有給休暇を取得していただくなどの対応と、長引く場合には傷病手当金が休業補償になります。

傷病手当金は、医師が就労不能と認めたものに限るとされていますが、今回のコロナ特例ではやむを得ず自宅療養を行っていた期間でも、医師が既往の症状などを勘案して判断する場合もあるとしていますので、疑わしき場合でも受診していただくことをおすすめいたします。

支給要件は、療養のために仕事に就くことができず、医師が就労不能と認めた場合について、お休みした日から数えて4日目から支給されるものです。金額については、直近12ヶ月の平均標準報酬日額の3分の2が補償されることになります。

また、国民健康保険の被保険者の方は、原則では傷病手当金はないケースが多いのですが、厚生労働省が各自治体に向けて傷病手当金の支給についての検討を依頼していますので、該当の方は自治体にご確認いただければと思います。

次に健康保険の被扶養者に対する収入に関してですが、パートやアルバイトなど、被保険者の扶養に入っている方が、家庭における経済的事情などにより一時的に収入が増加する傾向にある方もいらっしゃるかと思います。原則、年間130万円未満であることが扶養の条件ではありますが、一時的に増加した場合であっても直近3ヶ月の収入を年収換算した場合、平均して130万円を超えていなければ、継続して被扶養者として認定されることになっています。

また、過去1年間の収入が昇給や通常の勤務時間が増大したことによる収入のアップでなければ、仮にその1年間が130万円を超えていたとしても、遡って扶養の認定を取り消されることはないとしています。しかし、現在日本年金機構は、健康保険未加入者に対する調査を行っており、今後さらに強化していくようです。そのため、事業主さまや人事担当者の方は一時的なものなのか、恒常的なものなのかのご判断をいただくことになりますのでご注意ください。

最後に、妊婦の方への配慮についてです。コロナ禍の中では、働くことも通勤も不安を抱えながらのものとなりますので、軽作業への転換や在宅勤務、あるいは休業など必要な措置を取らなければならないことになっています。また、年次有給休暇以外の特別休暇を取得できる制度を策定した事業主に対して、一定の金額を助成する制度もできていますので、ご確認いただきご活用ください。

それぞれの働く立場で不安は付き纏います。新総理もコロナ対策については喫緊の課題としていますので、決して気を緩めることなく、継続して予防対策を行ってまいりましょう。

(公的保険アドバイザー協会 理事 福島紀夫)