マイナ保険証を登録しましょう
マイナンバー制度が2016年にスタートして8年が経過します。スタート当初は、セキュリティの問題や紛失したら悪用されるから心配など、不安視する声が多く聞かれたことを思い出します。しかし、数年経過した後でも紛失からの事故や事件は報告されておらず、むしろ街の中でも使えるということもあって、マイナンバーカードの保有率は本年8月現在で74.8%と、予想より多いことがわかります(総務省マイナンバーカードの申請・交付・保有状況より)。運転免許証の保有率が約80%という数字と比べても、浸透してきていることがわかります。
今後、このマイナンバーカードが健康保険証として利用開始されることはご存知かと思いますが、どのような進み方をしていくのかまとめてみます。
本年12月2日から、現在の健康保険証の新規発行が廃止され、マイナンバーカードを健康保険証として利用登録した「マイナ保険証」の本格的な利用が始まります。
現在お持ちの健康保険証ですが、12月1日までに発行されたものは経過措置として1年間利用できますが、2025年12月1日を迎えると使用できなくなります。
また、2025年12月1日までに退職される場合には、事業主に健康保険証を返す必要がありますが、それ以降は何の意味もなくなってしまいますので、自分で破棄することになっています。つまり、現在の健康保険証が使えるのは2025年12月1日までですので、それまでにマイナ保険証に切り替える必要があるということです。
では、やっぱりマイナンバーカードを健康保険証として普段から持ち歩きたくない方などはどのようになるのでしょうか。
この場合、「資格確認書」が発行されることになっており、これを利用して医療機関にかかることになりますが、この有効期限も4年から5年と言われていますので、マイナ保険証へのシフトを検討する流れになりそうです。
本年12月2日以降、新たに入社する方や転職する方などは、事業主側でマイナ保険証の活用の有無を確認し、持っていない方に対して発行手続きをすることになりますが、発行までに相当な時間を要するとされていますので、できる限り切り替えていただく方がよろしいのかと考えるところです。
この資格確認書では、医療機関の受診履歴や服薬履歴など、マイナ保険証で得られるメリットは付帯されていませんので、何か大きな病気や事故にあったときに、過去の医療情報として活用できない点は、今後のビッグデータとして進む中でマイナス要因となってしまうかもしれません。
まだ、マイナンバーカードを持ち歩くことに危惧される方も多いかと思いますが、自分の持ち物は何でも大切なものですので、マイナンバーカードだけでなく自分の身の回りのものの整理という点での整理整頓にも多いに役立つのではないかと考えるところです。
運転免許証も不携帯では運転できません。抵抗を感じることはあるかもしれませんが、日常になると当たり前になってきますので、切り替え期限までに検討してまいりましょう。
公的保険アドバイザー協会
理事 福島紀夫