国民年金保険料の負担を抑える

年金 2024/03/01

受験シーズン真っ只中というご家庭も多いのではないでしょうか。これまでのがんばりを示すときです。受験生本人もサポートする親御さんも大変な時期ですが、桜の咲くときまで期待に胸を膨らませながらお過ごしいただきたいと願うところです。

さて、親御さんにとっては合格後も入学金の準備や、家から離れて暮らす場合などは家賃の問題など、お金まわりのことにも気を遣わなければなりません。また、すでに学生さんであっても20歳になると国民年金に加入することになりますので、国民年金保険料の負担もあります。

学生納付特例制度についてご存知の方も多いと思いますが、年度はじめに対応しなければならないことがありますので、国民年金保険料負担全般について考えてみましょう。

20歳になると国民年金に加入することになり、60歳まで40年間の長い道のりが始まります。もちろん、企業などに就職すれば社会保険の適用になりますので、ご自身で保険料を納めることはなくなります。しかし、学生の場合は自分で納めることの意識や、年金なんて将来的にもらえないなどといった、間違った知識を持っているとすると、将来的に不利益になる場合がありますので注意しておきましょう。

まず、学生納付特例についてですが、一度特例申請をしておくと、毎年3月には特例申請書が届きますので忘れずに出しておきたいものです。一度出しておけば毎年適用されるわけではなく、年度単位での申請が必要になります。また、申請を忘れてしまうことで保険料の未納となり、万が一ケガなどで障害を負ったときに年金受給の対象になれないことも発生してしまいますので、学生さん自身が納められない、親御さんもできれば特例申請を使いたい場合には、毎年対応していただくことが大切です。

次に、学生さん以外でも国民年金保険料の対象となる自営業者、フリーランスの方の保険料納付についてです。前納制度を使うことで、保険料負担が軽減されます。口座振替によって前納する場合、毎月納めるより、6ヶ月前納で1,160円、1年前納で4,270円、2年前納で16,590円もお得になります。
令和6年度の国民年金保険料は16,980円、7年度は17,510円になりますので、前納制度はかなりおすすめといえます。
厚生年金保険の保険料率は変わりませんが、国民年金保険料は毎年変わります。本来17,000円を基本として毎年変わることになっていますので、物価が変動することで保険料も変更になります。そのかわり、老齢基礎年金の満額も引き上げられていて、6年度は80万円台に上がったことは、気持ちとしても嬉しい気がいたします。

最後に、元旦から起きた能登半島沖地震で被害に遭われた方への対応もあります。災害等で大きな被害を受けたことにより納付が困難になった場合、申請により全額免除になる制度となっています。納付猶予の申請書に加えて、罹災証明書等の被害に遭った証明をつけることで適用されます。
手続きは、お住まいの市区町村の役所の国民年金担当窓口、お近くの年金事務所に提出します。免除対象期間は、令和5年11月から令和8年6月分まで適用になります。

このように、公的保険については共助の考え方がありますので、困ったときはみんなで助け合う精神で動いています。

いつ、どんな災害が降りかかるかわかりませんし、学生になった時の授業料負担も大きいものです。
うまく制度を理解し活用するメリットを考えていきましょう。
 

公的保険アドバイザー協会
理事 福島紀夫