2024年1月産前産後の国民健康保険料免除制度スタート

税・社会保障 2024/01/09

2019年4月より国民年金第1号被保険者の産前産後の国民年金保険料が免除されていますが、2024年1月1日より、産前産後における国民健康保険料の負担免除制度もスタートしました。子育て世代の負担軽減、次世代育成支援を目的としたものです。詳しい制度内容や手続きについて解説します。
 

対象期間

出産予定日の月または出産した月の1ヵ月前から4カ月間
多胎の場合は、出産予定日の月または出産した月の6ヶ月前から4カ月間
死産や流産、早産も対象です。

出典:渋谷区「産前産後期間の国民健康保険料免除制度が始まります」
 

対象者

国民健康保険被保険者で出産(予定日)が2023年11月1日以降の人
対象者としては2023年11月以降に出産した人ですが、保険料が免除されるのは2024年1月分の保険料からのため、2023年11月出産の場合、免除されるのは出産月の2ヶ月後である2024年1月分のみとなります。

 

対象保険料

対象となる保険料は、国民健康保険料の所得割と均等割の全額です。国民健康保険料は受ける給付の多さに応じた応益割と、負担能力に応じた応能割の二種類の保険料体系からなっており、応益割には均等割と平等割、応能割には所得割と資産割があります。それぞれの方式の具体的内容については、以下の通りです。

出典:厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」


自治体によって、所得割と均等割の2方式、所得割と均等割と平等割の3方式、所得割と資産割と均等割と平等割の4方式のいずれかの保険料構成となっています。したがって、所得割と均等割以外の保険料負担がある場合は、全額免除にはなりません。なお、すでに納めた保険料については、還付されます。

また、自治体や届け出る時期によっては、年間の保険料全額から免除分の保険料が差し引かれます。4ヶ月間のみ保険料が免除されるわけではなく、免除された金額を年間の保険料から差し引き、再度年間の保険料が決定されるため、必ずしも保険料がゼロになるわけではない点にも注意が必要です。

なお、国民健康保険料には上限額が設定されていますが、世帯の所得が高く、産前産後の保険料が免除されたとしても減額後の保険料が上限を超えている場合は、保険料に変わりはありません。
 

手続きについて

国民健康保険料の免除をする場合は、基本的には手続きが必要ですが、自治体によっては届出を不要としているとこもあります。2024年1月から受付がはじまり、出産予定日の6ヶ月前から届出ができます。必要書類は下記の通りです。

・母子手帳など出産予定日、出産日を確認することができる書類
(多胎妊娠の場合は、子の人数分)
・世帯主及び出産被保険者のマイナンバーがわかるもの
・届出人の顔写真付きの身分証明書
・死産などの場合は、死産証書など死産等の日及び身分関係を明らかにできる書類
・産前産後保険料免除届出書

対象になる人は、まずはお住まいの自治体に問い合わせて手続きを確認してみましょう。

 

公的保険アドバイザー
前田菜緒