年末だからこそ、自分の年金を確認!

税・社会保障 2026/01/01

あっという間に年末になりました。バタバタした12月も終わりお正月気分になるところではありますが、今年の年末年始はお休みが多い方も多くいらっしゃることかと思いますので、おせちもいいけど、同時に将来の年金について、改めて考えてみるのもいい機会ではないかと思いました。


今月は、以下の項目を整理することで、自分の将来が見えてくるかもしれないポイントを整理してみましょう。


1. 年金記録に「モレ」はないか?「ねんきん定期便」の徹底チェック

ご自身の年金記録を確認できる唯一の公的資料が、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」です。これをしまい込んでいる方は、今すぐ取り出して確認しましょう。


① 50歳未満の方:「これまでの加入実績」を確認

50歳未満の方に届く定期便には、これまでの加入実績に応じた年金額が記載されています。ここで見るべきは、裏面に記載されている「年金加入期間」の表です。


ここには、毎年の保険料納付状況が記載されています。


もし、直近の期間に「未納」や「空欄」がある場合は、すぐに年金事務所に問い合わせて記録を訂正する必要があります。そのまま放置すると、将来の受給額が減るだけでなく、万が一の障害年金や遺族年金を受け取れなくなるリスクもありますので、確認してみましょう。


② 50歳以上の方:「将来の年金見込額」を確認

50歳以上の方に届く定期便には、老齢年金の見込額が記載されています。これは、今の加入条件(今の給料)のまま60歳まで働き続けたと仮定した場合の受給見込額です。


この見込額をベースに、ねんきんネットなどでさまざまな働き方(例:65歳まで働く、途中で退職する)をシミュレーションし、老後の生活設計に役立てましょう。


2. 国民年金の「未納期間」は「追納」で解決!期限の確認を

①フリーランスや自営業の方、また会社員の方でも離職期間があった方などは、国民年金の保険料に「未納期間」がある場合があります。この未納期間は、将来受け取る年金額に大きく影響します。


国民年金には、過去10年以内に遡って未納分の保険料を支払うことができる「追納」制度があります。追納できるのは、免除や猶予の承認を受けた期間から10年以内です。期限を過ぎると、その期間は「未納」として固定され、将来の年金受給額を増やすことができなくなってしまいますので、こちら早めの対応が必要です。


② 任意加入制度の活用(60歳到達時)

60歳で定年を迎えた後も、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない方や、満額の年金に近づけたい方は、60歳から65歳までの間に「任意加入」をすることができます。これは、老後の年金を増やすための重要な選択肢です。


上記以外にも、iDeCo・個人年金保険の見直しなどもしておくことで、もしかすると無駄だったものがクローズアップされるかもしれません。


年金は、遠い将来の話ではなく、今の生活と密接に関わる公的・私的な資産です。この時期に、上記のチェックをすることで、年金記録を確認し、将来の受給額を最適化してみてはいかがでしょう。


公的保険アドバイザー協会
理事 福島紀夫