2026年に予定されている公的保険関連の改正

税・社会保障 2026/01/06

2026年がスタートしました。2026年に予定されている公的保険に関する主な改正情報をお伝えします。

 

2026年3月

マイナ保険証への移行措置終了

従来の健康保険証の有効期限は、最長で2025年12月1日までとされていました。それ以降は、マイナ保険証、マイナ保険証を持っていなければ資格確認書で医療機関を受診することになります。ただし、混乱などを避けるために有効期限が切れた保険証でも特例措置として2026年3月末までは保険診療ができようになりました。

 

2026年4月 

在職老齢年金の支給停止基準額引き上げ

年金を受給しながら働く高齢者が一定以上の給料を得ると、老齢厚生年金が減額されます。これにより働き控えや人出不足などが指摘されているため、年金が減額になる基準額のラインが引き上げられます。

 

現行制度では、ボーナスを含む年収の12分の1と老齢厚生年金の金額が51万円(2025年度価格)を超えると、超えた金額の2分の1の年金額が減額されます。2026年4月からは、51万円が62万円に引き上げられます。ただし、この金額は物価等により毎年見直されます。62万円は2024年度の価格水準のため、2026年度価格が同額になるとは限りません。

 

高年齢労働者に対する労災防止措置の「努力義務化」

本改正は労働安全衛生法に関するものであり、公的保険制度そのものではありません。しかし、労働災害による死傷者数や発生率は、近年増加傾向にあり、なかでも高年齢労働者の労働災害の増加が原因の一つとなっているため、事業所の規模や業種を問わず、すべての事業者に対して、高齢者の労働災害防止が努力義務化されました。具体的には、施設や設備等の改善、作業内容の見直し、体力・健康状況の把握などを行う必要があります。

 

130万円の壁の認定要件見直し

130万円は健康保険の被扶養者として認められる年間の収入要件です。これまでは130万円が超えそうになると就業調整が行われたり、事業主の証明を提出したりすることで被扶養者要件を満たすことが確認されてきました。今後は、労働契約の内容から年間収入が130万円未満である場合は、原則として被扶養者として認められることになりました。

 

離婚時の年金分割請求期限が5年に

離婚によって年金分割をする際は離婚後2年以内に手続きをしないといけませんが、2026年4月1日以降に離婚した場合は、この期限が5年になります。

 

2026年10月

短時間労働者の保険料負担を軽減する特例の開始

社会保険の加入対象となる短時間労働者の社会保険料を軽減する調整措置が3年間限定で実施されます。基本的に社会保険料は労使折半ですが、この措置によって事業主の負担割合を増やし、被保険者の負担を軽減できます。また、その際、事業主が追加負担した分については全額が支援されます。労働者の要件は下記の通りです。

・従業員数50人以下の事業所等で働く労働者
・新たに社会保険の加入対象となる人
・月収が12.6万円以下

労働者の負担を減らせる割合は、月収によって異なり、3年目は軽減割合が半減されます。

出典:厚生労働省「被用者保険の適用拡大について」令和7年6月19日

 

以上が2026年に予定されている公的保険関係の主な改正内容です。公的保険アドバイザーは、改正内容とお客様の状況を踏まえながら、適切なアドバイスをしていきましょう。


公的保険アドバイザー
前田菜緒